話の束

本業のかたわら、たまに本も書いています。それとは別で、きままにエッセイとか小説とか、ぽろぽろと書いてみたいと思いました。

2014-01-01から1年間の記事一覧

B型だからね

僕はうつになる。 特に、大勢の人の前で、笑顔をふりまいたあとで。 ひとりでうつになる。 うつになると、肩もこるような気がする。 足は重くなり、心臓がどきどきする。呼吸もやばい。 そして、布団にもぐりこんで、ただ、寝る。 今週は、大勢の前で笑顔を…

先輩や上司にダメ出しされたときに読んでほしいこと

明けない夜はないけれど、明けてみても暗い朝はある。 ***************************** 先輩や上司にダメ出しされる時がある。 心は沈み、自分を否定したくなる。 そんなときに、考えてほしい。 すでに君は、先輩や上司にとって…

頑張れない、10人の中の9人

頑張れない人がどれだけ多いことか。 今、目の前の、今日だけ。 それだけを頑張ればすべてが変わるのに。 多くの人はそれができない。 僕は仕事で、頑張れる人たちとお付き合いをする。 頑張れる人だけで、日本には1000万人以上の人がいる。 世の中の10人の…

敗北

自分が負けたとき、敗北を糧にできる人は強い人。だろうか。 自分が負けたとき、世間を責める人は弱い人だろうか。 あきらめたとき、現状に満足しようと生業を変える人は弱い人だろうか。 あきらめて、あきらめきれずに抗い続ける人は、強い人だろうか。 強…

窓の内と外

僕はベランダでたばこを吸う。 ベランダに出るとき、三つあるサッシを内側から閉める。 リビングと、寝室と、娘の部屋と。 「まだたばこ吸うの?」 妻と娘が僕に苦言を呈する。無視をして、後ろ手にサッシをしめて、らんかんにもたれる。 紫煙ににじむ夜景は…

東京は仮住まいのにおいがしすぎる

仕事柄、東京へやってくる。だいたい週に1回程度。 その都度、裏通りを歩く。 僕の仕事が一段落するのはたいてい夜半過ぎだ。 となれば遅い夕食の場所も限られてくる。 そうしてたどり着いた店には、いつもきまって同じような人たちがいる。 ぎりぎりまで話…

生まれる前の話

娘は、生まれる前の話を嫌がる。 僕が子どもの頃の話。 僕と妻とのなれそめ。 新婚旅行の話。 楽しかった話ほど、両手で耳をふさいで首を振る。 笑いながら「なぜいやなの?」と聞いてみた。 「私がいない世界があるなんて言わないで」 それは死に似ている。

マイナちゃんとくーちゃん

「あなた、くーちゃんって知ってる?」 食卓で少し得意げに質問してくる妻。 それに対してふふん、と鼻で笑う私。 「マイナちゃんの犬のことだろ?知らなかったのかい?ふふん。」 そう答えた時の妻のしてやられた、という顔が目に浮かぶようだ。 そンな妄想…

マイナちゃんとわんわん

ある日私は、仕事が早く終わったため、6時くらいにマンションに戻ることがあった。するとたまたまだが、隣の奥さんとマイナちゃんとエレベーターで一緒になった。奥さんは大きなダンボールのような箱を抱えている。 「こんにちは。」 少し無愛想な私。別に…

マイナちゃんと旅立ったおさかな

それから数日後、いつものように妻が洗濯物を干しているとマイナちゃんがやってきた。 「おねーちゃん!おねーちゃん!」 そろそろあきらめだした妻は、洗濯物の手を止めて、ベランダの間仕切に近寄っていった。そもそもこの間仕切を超えられたらベランダか…

マイナちゃんとおさかな

その赤ん坊がいつのまにかしゃべるようになった。 なんでも、妻が洗濯をしているとほぼ確実にやってくるらしい。 「おねーちゃん!おねーちゃん!」 そう叫びながらベランダの間仕切の向こうから顔を出してくるという。 「どうしたのマイナちゃん?」 「おね…

赤ん坊の頃のマイナちゃん

マイナちゃんは、マンションの隣の家に住んでいる。 マイナちゃんの両親は私たち夫婦よりも少し年上のようだ。何度か挨拶した程度だが、どうもそんな感じだ。ただ、私は年よりもかなりふけて見られるらしいので、隣も同じことを思っているかもしれない。 う…