だいたいの年収が3000万円になって思うことがある。 僕が今成功している原因があるとすれば、それは単純に運がよかったからだ。 その上で、行動面で良いことがあったとすれば、それはなんだろうか、ということを考えた。 おそらくそれは3つある。 第一に、…
遠い街への出張が多かった。 けれどもそろそろ50にもなるので、少しは後進に道を譲って、出張を減らそうと思っていた。 そんなとき、西日本のある街への出張の依頼があった。 行ったことのないその街の名は、懐かしい友人の故郷だった。 僕は二つ返事で出張…
イクメンだとか、父親が子育てに参加とか言われているけれど、僕は結構やっている方だ。 妻が仕事で遅い時には洗濯や掃除もするし、子どもの朝ごはんや晩ごはんだって作る。 妻の方が比較的自由時間が多いので、家事の時間は確かに妻の方が圧倒的に多い。 け…
僕は多分、死ぬことに躊躇がない。 というか、失うことに躊躇がない。期待がないから、得ることにも興味がない。 ある朝、目が見えなかったことがある。 起きてみたら目の前が真っ白だった。目をこすっても、瞬きしても、何も見えなかった。 ああ、失明した…
自分が成功することはかけらも疑っていなかった。 けれど、期待されることは嫌だった。 だから僕は一人娘には、まあ、生きていてくれればいいや、というくらいにしか思っていない。 それ以外は好きにすればいいし、必要なら大抵のものは与えている。 妻がそ…
何もおもわずにキーボードの前に座る。 なんとなしに検索窓にカーソルをあわせる。そして考えずに文字をうつ。 気が付けば、いつも同じ四文字をうっている。 世をはかなんでいるわけでもないのに。
僕たちは過去を覚えていない。 誰かに思い出されるまでは。 過去の事実を思い出して、 過去の思いを思い出して、 そして時間を巻き戻してしまう。 僕たちは過去を忘れなければいけない。 思い出した過去を忘れなければいけない。 それは逆説でも風刺でもなく…
面と向かって、主義主張を語れる人は少ない。 みんなあとでWEBで語る。極端な言葉で。 僕はそうならないようにしたい。 そう思うと、語れなくなる。 きっと、黙っている人はとても多い。 2015年11月4日記す
住まないそらはきれいだ なにもうつさないから 2015年11月2日記す
水の音を聴こうと歩き始めた。 夕暮れ時。会社を降りて進んだ先には川が流れている。 欄干にたどり着いたが、音は消えていた。 流れるように走る車の響きと、定期的に変わる信号の歩行者誘導の音とが響いていて、川はただ暗くあるだけだった。 じゃあ、と思…
僕はうつになる。 特に、大勢の人の前で、笑顔をふりまいたあとで。 ひとりでうつになる。 うつになると、肩もこるような気がする。 足は重くなり、心臓がどきどきする。呼吸もやばい。 そして、布団にもぐりこんで、ただ、寝る。 今週は、大勢の前で笑顔を…
明けない夜はないけれど、明けてみても暗い朝はある。 ***************************** 先輩や上司にダメ出しされる時がある。 心は沈み、自分を否定したくなる。 そんなときに、考えてほしい。 すでに君は、先輩や上司にとって…
頑張れない人がどれだけ多いことか。 今、目の前の、今日だけ。 それだけを頑張ればすべてが変わるのに。 多くの人はそれができない。 僕は仕事で、頑張れる人たちとお付き合いをする。 頑張れる人だけで、日本には1000万人以上の人がいる。 世の中の10人の…
自分が負けたとき、敗北を糧にできる人は強い人。だろうか。 自分が負けたとき、世間を責める人は弱い人だろうか。 あきらめたとき、現状に満足しようと生業を変える人は弱い人だろうか。 あきらめて、あきらめきれずに抗い続ける人は、強い人だろうか。 強…
僕はベランダでたばこを吸う。 ベランダに出るとき、三つあるサッシを内側から閉める。 リビングと、寝室と、娘の部屋と。 「まだたばこ吸うの?」 妻と娘が僕に苦言を呈する。無視をして、後ろ手にサッシをしめて、らんかんにもたれる。 紫煙ににじむ夜景は…
仕事柄、東京へやってくる。だいたい週に1回程度。 その都度、裏通りを歩く。 僕の仕事が一段落するのはたいてい夜半過ぎだ。 となれば遅い夕食の場所も限られてくる。 そうしてたどり着いた店には、いつもきまって同じような人たちがいる。 ぎりぎりまで話…
娘は、生まれる前の話を嫌がる。 僕が子どもの頃の話。 僕と妻とのなれそめ。 新婚旅行の話。 楽しかった話ほど、両手で耳をふさいで首を振る。 笑いながら「なぜいやなの?」と聞いてみた。 「私がいない世界があるなんて言わないで」 それは死に似ている。
「あなた、くーちゃんって知ってる?」 食卓で少し得意げに質問してくる妻。 それに対してふふん、と鼻で笑う私。 「マイナちゃんの犬のことだろ?知らなかったのかい?ふふん。」 そう答えた時の妻のしてやられた、という顔が目に浮かぶようだ。 そンな妄想…
ある日私は、仕事が早く終わったため、6時くらいにマンションに戻ることがあった。するとたまたまだが、隣の奥さんとマイナちゃんとエレベーターで一緒になった。奥さんは大きなダンボールのような箱を抱えている。 「こんにちは。」 少し無愛想な私。別に…
それから数日後、いつものように妻が洗濯物を干しているとマイナちゃんがやってきた。 「おねーちゃん!おねーちゃん!」 そろそろあきらめだした妻は、洗濯物の手を止めて、ベランダの間仕切に近寄っていった。そもそもこの間仕切を超えられたらベランダか…
その赤ん坊がいつのまにかしゃべるようになった。 なんでも、妻が洗濯をしているとほぼ確実にやってくるらしい。 「おねーちゃん!おねーちゃん!」 そう叫びながらベランダの間仕切の向こうから顔を出してくるという。 「どうしたのマイナちゃん?」 「おね…
マイナちゃんは、マンションの隣の家に住んでいる。 マイナちゃんの両親は私たち夫婦よりも少し年上のようだ。何度か挨拶した程度だが、どうもそんな感じだ。ただ、私は年よりもかなりふけて見られるらしいので、隣も同じことを思っているかもしれない。 う…
マイナちゃんは三歳らしい。 2年前ははいはいしていたから、多分それくらいなんだろう。ただ正確なところはわからない。このあいだ、ベランダで妻と話しているときに割り込み、何歳かたずねてみた。 「マイナちゃん、いくつ?」 「くーちゃん!」 いつもの…